もともと不可能な調の場合に代金返還を請求できるか娘の交際相手がどのような人かを調べるために、調査会社に交際相手の素行調査を依頼しました。私の主たる依頼は、交際相手が中退したという大学に、彼は本当に入学していたのかということでした。調査会社が「絶対に調べることができる」と言ったので、約七〇万円の費用を支払ったのですが、結局は肝心なことはわからないまま不十分な結果報告を受けました。このようなことを調べることはそもそもできなかったのではないかと思っています。返金を請求できないでしょうか。
口断定的判断の提供あなたが依頼した肝心の調査に関し、できるかどうかわからないにもかかわらず、「できます」と確定的な説明を行っているわけですから、消費者契約法四条一項二号の「断定的判断の提供」を理由に取り消し、すでに支払った代金について返還を請求することが考えられます消費者契約法については第二章Q3参照。この断定的判断の提供とは、契約締結の勧誘をするに際して、事業者探偵・興信所が消費者に対して、契約の目的となっている事項に関し、将来における変動が不確実な事項について断定的な判断を提供することによって、消費者が当該提供された断定的判断の内容が確実であると誤認した場合を指します。本件の場合、主たる依頼は交際相手の大学への入学および中退の事実の有無であり、同事実を把握することが「必ずできる」というものではないと思われます。それにもかかわらず、「必ずできる」ということを前提に契約を締結することは、断定的判断の提供といえます。また、取消しの意思表示の事実を残すためには、文書による通知を行うことが大切です。内容証明郵便第二章Q3参照により取消しの意思表示を行ってみてはいかがでしょうか。囗追認なお、消費者契約法による取消しは、追認することができる時点事実誤認に気づいた時点から六カ月、契約締結時から五年で時効によって消滅してしまうので消費者契約法七条一項、注意が必要です。