尾行中のアクシデント
尾行は日常生活の真っ只中に身を置くため、様々なアクシデントに遭遇する。不倫が疑われる夫を24時間尾行していたのだが、この夫、とにかくお酒が好きで、金曜日は毎週のように浴びるほど飲んでいた。その日も、朝まで飲み続け、結局始発で帰宅するハメに。ずっと張り付いていた探偵も、疲労困憊となりながら家に着くまで尾行しなければならない。ベロンベロンに酔っぱらった夫が、駅のホームで半ば眠りかけの状態で、よろめきながら電車を待っていると、ぐらっと身体が揺れ、あっという間に線路に転落。傍で見ていた探偵もこれには驚き、線路に飛び降りて、間一髪のところで助け上げた。駅員からは感謝され、ぜひ人命救助で表彰したいので名前と住所を教えて下さいと言われたとか。しかし、身分がバレてしまうと業務に差し障りがあるため、固辞してその日の尾行を切り上げたのだった。