調停が成立すると調停調書が作成される
・調停調書とは当事者が合意し、調停が成立した場合には、調停内容が読み上げられるだけで、調停調書が作成されます。当事者の署名やハンコは要求されません。一般の民事調停事件(T8ページ参照)の場合と同様、家事調停も、調停調書に記載された内容は、確定した判決と同一の効力がありますので、話し合いで決めたことだからと軽くみないことです。したがって、調停が成立した場合には、調停の内容が金銭の支払いを目的とする場合には、強制執行(42ページ参照)をすることができます(戸籍に関するものの場合は届出)。人事訴訟手続法に定められた事件(協議離婚の無効確認、認知・親子関係の不存在確認などの戸籍関係事件)の調停では、調停の成立に代えて家事事件手続法277条に基づく審判が行われる場合があります。これは、「合意に相当する審判」と言われるもので、調停が成立してもなお裁判所で調査をし、調停委員会の意見を聞き、合意が正当であるかどうかを判断して審判を行うというものです(審判については後述)。・履行勧告の制度 調停(審判)で定められた義務を相手が守らない場合があります。こうした場合の手続きとして、家庭裁判所の履行勧告の制度があります。手続きは家庭裁判所に対して履行勧告の申立をします。そうすると家庭裁判所は義務者に対して義務の履行をするように勧告・命令をします。履行命令に従わないときには、10万円以下の過料に処せられることになります。⭐︎ポイント調停条項を守らない場合は、強制執行等ができる。