お互いの気持ちのこと
2025/09/05
離婚について手続きをすすめていくうえで、まず考えておかなければいけないのが、あなたは離婚をしたいのか、したくないのか。相手は離婚をしたいのか、したくないのか。こうしたお互いの気持ちを、きちんと把握する必要があるということです。なぜならば、お互いの気持ちが一致しているのか、ずれているのかで、手続きの進め方も大きく変わってくるからです。たとえば、あなたもパートナーも両方が「離婚したい」と考えているのであれば、離婚に向けて手続きを進める必要があります。慰謝料や財産分与など、お金の問題をどうするかを決め、子どもの親権や養育費についても話し合いを進めます。一方、あなたは離婚したいが、パートナーは「離婚したくない」と考えている場合、離婚に向けて協議していくことになります。重要なことは、こうした気持ちのすり合わせをどう行うかです。特に、未成年の子どもがいる場合、夫婦が離婚することになれば、どちらが親権を持つのか、どちらが家を出ていくのか、という大きな問題も絡んできます。
離婚で注意すべき、四つのポイント
2025/09/05
パートナーの浮気などが原因で「離婚」について考え始めたが、何をどうしたらいいのかよくわからない──そんな方々が、私たちの事務所に相談にいらっしゃいます。最初にこういう方に、私たちが集約的なポイントを説明するようにしているのが、「離婚で注意すべき、四つのポイント」と題されたA4用紙数枚の離婚パンフレットです。では、その四つのポイントとは、なんでしょうか?それは ①お互いの気持ちのこと、②子どものこと、③お金のこと、④離婚原因、この四つの点に分けて考えると、離婚の問題というのは整理されるのです。そして、この四つのポイントの中で、自分にとって一番重要なことは何か、解決しなければいけない問題は何か、ということを考えていただきたいと思います。いま段階では、この四つの中でどのポイントが重要で、段階で変わっていくこともよくあります。
復縁を考えてみる
2025/09/05
現実には、パートナーの浮気によって夫婦関係が崩れたとしても、そのまま離婚に至ることなく、関係を修復して夫婦生活を続けたいと考える人もいます。浮気が発覚した後に、経済的事情や感情的な理由から、別れずにやり直そうとするケースです。私たちの事務所に相談にこられる人の中には、「浮気相手に慰謝料を請求したいけど、パートナーを責め立てるのではなく、優しく接して復縁したい」という方もいらっしゃいます。浮気をした人間の立場からすると、たしかに悪いことをしたという自覚はあるのですが、パートナーからあまりに強い責めを受けると、自分の居場所がなくなってしまったと感じるようになります。その結果、浮気相手の元に戻ってしまう可能性が高まります。浮気を許し、夫婦で家庭を再構築していくためには、感情のコントロールが必要です。お父さん、遊びに行って」と子どもに言ってもらい、休日に家族サービスをしてもらうなど、夫婦関係の改善につながる行動を意識的にとることが大切です。
浮気相手と別れさせる方法
2025/09/05
いろいろな手段で浮気の証拠を集め、たしかにパートナーは浮気していた、ということがわかったとしても、離婚するつもりはなく、パートナーには浮気相手と別れて、もう一度、自分との夫婦生活をやり直すことを望む人もたくさんいます。そう考える人は、少なくとも浮気相手と別れてもらわなくてはいけませんが、簡単には別れてくれないケースもあります。そのような場合には、なんとかして別れさせたいと考えるのは当然の望みですが、うまくいかないこともあります。さらに、その後のことを考えて、浮気相手に対して慰謝料を請求するという方法もあります。それは、「再度、パートナーと会わないこと」を条件として、この契約を結ぶことによって、不貞行為の解決を図る方法です。このような書面を交わす契約のことを「示談書」と呼び、内容としては、「パートナーに二度と会わないことを約束すること」「違約があったら、金〇〇円の違約金を支払う」というものです。もし自分で進めるという場合でも、弁護士に依頼したほうがスムーズに進みますので、その契約を正確に書面化しておくのがよいでしょう。
このいいわけ、通用するの?
2025/09/05
ここまでで、浮気の証拠をどう集めるか、という点を中心に説明してきました。しかし、いざ裁判になったとき、浮気の事実を認めようとしない場合もあります。たとえば、パートナーが浮気相手とラブホテルに入った証拠をおさえたとしても、「朝まで一緒にいたのは、仕事の打ち合わせをしていただけ」「一体調子が悪くなったから休憩していただけ」などと、不自然な言い訳をしてくることがあります。このような場合、状況によっては浮気相手の両親が知っていることもあり、事情を説明して事実を認めさせるのは厳しいケースもあります。そのため、証拠は一つだけでなく複数押さえておくことが、裁判になった場合にも有効です。
浮気が判明したら……
2025/09/05
もしかしたら、パートナーが浮気をしているのではないか――。そんな予感をもって、自分でちょっと調べてみたら、どうやら事実らしいとわかってしまった。夫婦関係が冷めており、離婚を前提とした交際であれば問題も少ないのかもしれません。しかし、そうでない場合、感情的になって浮気相手に直接電話をしたり、会いに行ったりすることはやめましょう。その後のことを考えるなら、証拠を集めて冷静に対応する必要があります。もし仮に、こちらが浮気を疑っていることをパートナーに知られてしまった場合も、その時点でできる証拠収集を行うことをおすすめします。その際、浮気相手の情報が重要になり、まずできる限り名前・住所・職業などを押さえておくとよいでしょう。情報はここから、誰かに話す場合は、完全に自分の味方とわかっている人のみにしましょう。長年の連れである友人であっても、パートナーに話がすべて筒抜けになってしまうケースもあるのです。そして、「浮気の証拠集めを進めていこう」と決意したなら、現在の婚姻関係、財産状況などを把握しておくのが望ましいでしょう。実際に離婚することになれば、不動産、各種保険などの財産分与が発生します。また、子どもがいる場合、親権についても考えておく必要があります。パートナーの浮気について、子どもにどう伝えるか、証拠として使えるものは何か、あらかじめ備えておくことが大切です。
探偵事務所の調査とは
2025/09/05
調査は通常、二人か三人で行います。張り込みや尾行は、一人では不自然に見える場合があるためです。状況によっては、性別を組み合わせて行動することもあります。調査の基本は、対象者の行動を観察し、浮気や不倫の事実を裏付ける証拠を集めることです。尾行や張り込みをしながら、対象者が接触する相手や立ち寄る場所を確認します。証拠としては、写真や動画が中心です。現在ではデジタルカメラが主流で、証拠能力の高い映像が求められます。場合によっては、自動車やバイクを使って追跡することもあります。
調査対象者の情報として伝えるべき項目
2025/09/05
顔写真(鮮明なものが望ましい)、身長・体格服装やカバンの特徴、勤務先や住所、電話番号車の車種、ナンバー、色よく行く場所や行動パターン写真は正面から鮮明に写っているものが最適ですが、横顔や後姿なども役立ちます。服装やカバンの色、特徴も重要です。また、耳の形など、個人識別の手がかりになる場合もあります。
探偵事務所に依頼する
2025/09/05
一般の人にとって、探偵事務所は身近な存在ではないでしょうが、浮気現場の写真撮影など証拠集めにおいて、探偵事務所は欠かせない存在です。私たちの事務所が接してきた中で見えてきた、探偵事務所に依頼する際の原則、それは「浮気の事実を確認してから依頼する」のではなく、「浮気をしているかどうか分からないけれど、はっきりさせたい」という人が多いということです。家の内覧で見える家具や生活感から、家主の性格や生活パターンが推測できるように、探偵事務所も、依頼者から提供された情報をもとに、対象者の動きを分析して調査を進めます。離婚や慰謝料請求がまだ頭にない場合でも、浮気の事実をまずは確かめたい、という人は多くいます。探偵事務所に調査を依頼する人の目的は大きく二つあります。ひとつは、浮気を有利に進めるために証拠を押さえること。もうひとつは、調査で事実を確認し、自分の今後の対応を決めることです。依頼者の多くは女性ですが、最近では男性の依頼も増えてきています。探偵事務所ができることは、浮気調査をはじめ、盗聴器発見、行方不明者の捜索、素行調査、盗撮や盗聴の証拠収集などさまざまです。証拠としては、写真や動画、音声録音などがあります。
Cレコーダーで音声を記録する
2025/09/05
これまでご紹介した写真やメールなどの証拠に加えて、音声を記録することも重要です。パートナーが浮気相手と会話している音声を録音することができれば、それは非常に有効な証拠となります。ただし、録音する際には注意が必要です。違法となる方法で入手した録音は、裁判では証拠として使えないことがあります。録音する場合は、公共の場所や会話が自然に聞こえる範囲で行うことが望ましいです。たとえば、夫婦の会話を録音することは違法ではなく、民事裁判では有効な証拠として使うことができます。また、ICレコーダーを車内に設置しておけば、パートナーの車の現住所や移動経路を記録することも可能です。GPS機器と併用すれば、浮気現場を押さえる手助けとなります。
手帳の記述を調べる
2025/09/05
一方、ネット時代になっても、手帳やスケジュール帳に浮気相手と会った日の記録をつけている場合もあります。女性の場合はかなり細かく、ビジネス以外の予定についても記入していることがあります。たとえば、「〇月〇日ホテルに行った」などと書いてあれば、それが浮気の証拠として認められる可能性があります。特定の日に星印などのマークがあれば、その日が浮気相手と会っていた日である可能性が高まり、他の証拠と合わせれば強力な証拠として認められます。
ネットサービスをチェックする
2025/09/05
最近では、スマートフォンやパソコンで利用できるさまざまなネットサービスを介して、浮気相手と連絡をとっているケースが増えています。たとえば、代表的なSNSのサービスや、オンラインアルバムやネットストレージサービスの中に、浮気相手との写真や一緒にいたとわかる画像が保存されている場合があります。アルバム機能に保存された写真の撮影場所が特定できる場合もあります。写真に記録されたタグで、パートナーが浮気相手と一緒にいたことが判明することもあります。また、過去のやりとりが消されずに残っていれば、メールと同じように、浮気の証拠となる場合もあります。さらに、ネットの通話機能や換番号サービスを利用している可能性もあります。携帯電話で検索した取引先の履歴が残っていて、見慣れない駅名や浮気相手の自宅の最寄り駅などだと分かれば、重要な証拠となります。